ロケーションフリーTV

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報告者:YKK

さてと最近の隊員はいかに快適に香港において日本のTV番組を見るかという事に命をかけている。一昨年あたりから日本の実家にTV番組を録画するサーバー及びネットワークに接続出来るハードディスクレコーダーを設置しTV番組を録画しまっくっている。録画終了したらインターネット経由でファイルをダウンロードするのだ。

これだと番組終了後1時間半もあれば香港で見る事が出来るのだ。なにしろ連続ドラマと呼ばれる番組は毎クール全て録画している。一日はどうころんでも24時間しかないのでとてもではないが見きれるものではない。そこで得意の「ながら」で消化することとなる。仕事をしながら、出張の行き帰りの飛行機、電車、バス、タクシーに乗りながら、MTRの中で立ちながら座りながら、食事をしながら、寝ながら、などなど。それでもファイルは溜まる一方。

あげくの果てはスタバとかロイヤルパシフィックコーヒー等でZaurusで無線LANに繋ぎ日本のサーバーでお昼のニュースを10分ほど録画してその場でダウンロードして見たりしている。

ところがやはりどうしてもニュースとかスポーツ番組はリアルタイムで見たいという願望が沸いてくる。技術的にはインターネット上でTVの番組をエンコードしてストリーミング配信してこちらでデコーディングして画面に表示してやればよい。正にホリエモンがやろうとしている事ではないのか!

仕組みは日本に設置するベースステーションにTVのアンテナを接続し、更にインターネットにも接続するだけだが。これだけではだめである。外からインターネットを経由してこのベースステーションを探して接続出来ないとダメなのだ。それにはベースステーションが固定IPアドレスがあれば一番簡単だ。電話番号をまわせば相手の電話に繋がるのと同じで固有のIPアドレスがれば一発で接続出来る。ところが一般には固定IPアドレスというのは取得出来ない。常時接続でもISPに接続する度にISPから自動的に違うIPアドレスがベースステーションに割り振られてしまい外部からの接続が出来なくなってしまう。

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これを公衆でやろうとすると当然著作権の問題が発生して違法行為となる。あくまで個人が家庭内で楽しむという範囲に限られる。これを可能にする商品が表れたのである!SONYのロケーションフリーTVというのがそれである。以前SONYでモニターに無線LAN機能を付けたエアーボードという商品がその元祖である。ベースステーションとモニター部分を無線LANで結び家庭内どこでも、トイレの中からでもTVが見れて、インターネットメール、ブラウジングが出来るという商品だった。それをインターネット経由で家庭外からもベースステーションとの接続を可能にしたのが、その名もロケーションフリーTVと名前を変えて登場した製品だ。

最初のLF-X1というモデルが発売され、つい先月LF-X5が発売された。ベースステーションは両モデルとも共通だが、前者は12インチのディスプレーで2400グラム、後者が7インチで580グラム。LF-X1は持ち運ぶには大きくて重すぎるが、LF-X5はカバンに入れて持ち運んでも全然苦にならない。

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外部からこのベースステーションに接続する解決策とし一般的なのはダイナミックDNSというサービスを利用する。ISPが毎月数百円で提供しているし無料のサービスもある。ここに何らかのユニークなドメイン名を登録する、例として myname@mydomain.com を登録したとするとISPからIPアドレスが割り振られる度にDNSに登録してくれるわけだ。そうすると世界中どこからでも myname@mydomain.com でベースステーションに接続が可能となる。

それだけではなく通常はISPに接続するにはADSLモデルとかPPPoE対応のルーターとかが必要となりISPが割り当てるIPアドレスがそのままベースステーションのIPアドレスとはならない。あくまでISPの割り振るIPアドレスはISPに接続するルーターに割り振られ、ルーターに接続しているPCとかロケーションフリーTVのベースステーション等にはプライベートIPと呼ばれる他のIPアドレスを設定する。

ロケーションフリーTVのプログラム等インターネット経由で使用するプログラムはTCP/IPの固有のポートを使用する。そのポート番号が重要でそのポート番号をルーターに設定(ポートフォーワーディング)してやらないと最終的にベースステーションに外部からアクセス出来ない。インターネットとかコンピュータの知識があれば難しい事はないのだが、やはり普通はここまでやるにはかなりハードルが高い。そこでSONYは「訪問設置・おまかせパック」というサービスを提供しており2,100円で全てやってくれるらしい。

さてと能書きはこれくらいにしてこれをどうやって香港で使うのかと言うと、例えば家には無線LANがある。モニターをこの無線LANに接続してやれば良い。このモニターは大変良く出来ており接続可能な無線LANを全て表示してくれるのだ。

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リストの中から選択して接続してやればよい。当然WEP(暗号)が設定してあれば入れてやる必要がある。接続完了後設定してある日本のベースステーションに接続するだけ。ベースステーションとモニターは特殊な認証で一対一の接続となるので、これで個人ベースでのTV番組の視聴という事になる。認証後しばらくすると配信が始まる。

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画面をタップすると受信可能なチャンネルが表示されるのでチャンネルをタップして番組の変更が行える。

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エンコードをしてインターネットで配信し更にデコードして表示する訳だから考えてみるとすごい事をやっている。インターネットの回線の状況にもよるが数秒のディレイが生じるが正にリアルタイムで日本のTVが見える。

最低でも380K程度の帯域は必要なようで帯域が十分取れないと画像が乱れたりするが、画面のサイズもビットレートも変更出来るのでほぼ問題無く見る事が出来る。

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銅羅湾にある世界貿易中心で公衆無線LANに接続してみたが801.11bという事もあり時折画像が止まったりするがニュース等を見るには問題無い。

更にこのモニターはインターネットに接続しているので当然と言えば当然だが、メール、ブラウジングも出来る。

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ともかくすごい製品が出たものだ、外部(海外も含む)からTV番組を見るにはそれなりの知識と環境が必要だが、それさえ整えれば海外にいながらインターネットに接続しさえすれば日本のTV番組が見えるという事。海外におけるライフスタイルが変わること請負である。

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次回の出張には必ずこれを持参する。ホテルの部屋にはほとんどブロードバンドがあるのでそれに直接有線で接続してもよし、無線LANのアクセスポイントも何時も持って行くのでそれを接続すればホテルの部屋内で日本のTV番組がリアルタイムで見れることになる。

実はこれとほぼ同じ機能を提供するソフトウェアが登場した。PCで見る必要があるが可能性としてはZaurusを使って見る事も可能となるかもしれない。TJが現在やっているのでそのうち報告があるかもしれない。

コメント

  1. 途夢郷 より:

    こんばんは、途夢郷です。いつも私のブログではお世話になっています。ロケーションフリーTV、実は私も気になっておりました。香港で専業主婦している嫁さんにプレゼントしてやれば非常に喜ぶかと。。。尤も、益々家事しなくなりそうだし、私も中国語の番組見なくなって中国語が進歩しなくなりそうですが。。。LF-X5が出たのでLF-X1が安値で放出されないかとYahooオークションで網を張っているのですが、人気があるようで、まだまだ新品と変わらない値段です。もし導入する暁になったら(その場合、まずは千葉の実家にブロードバンドを導入しないと)、今回の記事、是非参考にさせて下さい。

  2. YKK より:

    コメントありがとうございます。現在香港は午前5時で丁度NHKの6時の朝のニュースを見ています。録画サーバーからダウンロードする際もそうですが、ともかく日本の回線の上りの速度が一番重要になります。とかくADSLというのは下りの速度ばかり表になっており上りはほとんど関心がもたれていないようです。我が家も54Mなどという回線ですが、上りはいったいどの程度なのか、、、がまんができず前回行った時にとうとう下りも上りも100M占有タイプの光の申し込みをしてしまいました。

  3. 海外で日本のテレビを見る(その後)

    暇の有るときには金が無く、金が有るときには暇が無い。  本業が忙しくてしばらく、…

  4. Yama より:

    ネットワーク環境はBCDのいずれでしょうか?
    私はDでルーターはNTT-MEのBA8000PROでだいぶ
    苦労しました。SONYにとっても最初の組み合わせ
    らしくNTT-MEとトライアングルで電話して二日
    掛りでやっとつながるようになりました。
    なお、デジホームサポートは2,100円でなく
    18,900-21,000円と高く頼みませんでした。

  5. YKK より:

    コメントありがとうございます。

    BCDのいずれでしょうかとの問い合わせでしたが何の事やらわからず、もしかしたらマニュアルにあるのかと思い良く見てみたらNetAVセットアップガイドという小冊子にあるネットワーク環境の事ですね?それならDです。実はこのあたりは全く参照しませんでした。使用するTCP/IPのポート番号さえ分かれば後は基本的なことですから。

    私の場合は2003年からPCでTV番組を録画したのをFTPでダウンロードしているので既にダイナミックDNS(私の場合はNifty)をしてあるのでルーターに使用するポート番号をベースステーションに割り当てたプライベートIPにポートフォーワーディングの設定をしただけでほとんど数分で済んでしまいました。ダイナミックDNSは登録しただけでは世界中のDNSで認識されるには数日からひどい時には数週間もかかる場合があるので海外から接続する時には注意が必要ですね。

    ポートフォーワーディングの機能が無いルーターなんて存在しないのでルーターの機種うんぬんはほとんど関係無いと思います。ただ日頃は日本製のルーターにはお目にかかったことがなかったので実家にあるNEC製のルーターの設定画面が日本語でそれも日本語の表示が英語のそれに比べて意味不明の箇所が多くそれが一番面食らいました。

    デジサポートは2,100円ではないのですか?SONYのWEBページにはそう書いてありましたが、、、、

  6. Yama より:

    知り合いのLANを借りて実地テストに及んでなんと最初の画面が電車転覆のNewsでした。
    ついでにPlanexのGW-MF54Gも試しました、外モードで無線につながり、これでお出かけモード完成しましました。
    大体ポートフォーワーディングって聞いた事がないしあせりました、素人にはかなりきつい設定でした。
    ダイナッミックDNSはmyDNSで簡単に取れます、合計5日もあれば大丈夫です、しかし海外に出かけるには10日ぐらい余裕が必要だと思います。
    SONYの訪問サポートはやはり¥18,900-\21,000です、家庭に来てくれて設置設定してくれるのでそれぐらいかかると思いますけど?
    いずれにしても、久々にこちらが”参った”という製品に出会えて満足です。

  7. YKK より:

    最初の映像が電車転覆だったとは衝撃的でしたね。
    どうでも良い事ですがSONYの「訪問設置おまかせパック」はやはり2,100円と書いてあります。

    http://www.jp.sonystyle.com/Product/Airboard/index.html

    内容が問題かとは思いますが、まさかWEBページで間違いの記載はしないと思います。

  8. Yama より:

    これはSonystyleから購入した人の価格で町で安く買った人はやはり
    http://www.jp.sonystyle.com/Product/Airboard/index.html
    の値段になります。
    LF-X5は町で最安で\95,000ですから微妙ですね!

  9. ソニー「エアボード」改め「ロケーションフリーテレビ for PC」 発売

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