野良無線LANの是非を問う!(その後)

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野良無線LANの是非について、多くのコメントありがとうございました。
皆様のお考えが理解できて、非常に勉強になりました。

頂いたコメントについて所感を述べさせて頂きます。

まず、たく様が書いておられます
1. 犯罪に利用される恐れがあるというのもありますが、それよりも不特定の者に自分の所有するブリッジにアクセスを許すことによるパケットの盗聴をされる恐れがあるということです。

2.ネットワークに疎い方が真似される。

という2点に関して、特に注意をしなければならないとの思いを強くしました。
誰かがわたしの無線LANを踏み台にすることは、それほど神経質にはなりません(笑)が、自分の情報が盗聴されるということに関しては神経質になるべきですね。

またそれがネットワークに強い人ならご自身で対策されるでしょうが、疎い方が真似をされ、万が一、盗聴されるという事態になった場合には、わたしに責任の一端があるということになりますね。

因みに、わたしは、メールの送受信以外にも、頻繁にオフィス内のPCにアクセスする必要がありますので、自宅にいるときは
自宅PC———–Office—–Internet
という接続方法で VPNを使ってオフィスにつないでいます。ここでいうVPNはPPTPをマシンに設定して使用しており、ルーター間をIPSecでつないでいるわけではありません。しかし現実にはこういった環境を構築できる方は少ないかもしれません。
このような自衛をしないで無線LANを解放すると、メールサーバにアクセスするときの、ID、パスワード、メール本体などは盗聴のリスクにさらされますね。もちろんそれ以外のSSL(https:// というhttpの後ろにsがつくサイトですね。)を使用していないウェブサイトでIDやパスワードを使う場合にも同様のリスクがつきまといます。
因みにオンラインバンキングなどはSSLベースだと思いますので、一定レベルの安全性は確保されていると言えます。

更に、上では神経質にはならないといった、野良無線LANの使用者に関するログ取得については、アクセスポイントについているログ機能などでもイイと思いますが、IPCopというFirewallは、Linuxベースで使い勝手もよく、それでいてかなり細かいことまで調査できるのでお勧めです。Linuxの知識を有しておられる方ならば簡単に設定できると思います。

これがスクリーンショットです。

ネットワークからのアクセス先は全て記録されますし、それ以外にもリアルタイムのトラフィックモニターも可能です。
しかしこのIPCopは、内部からインターネット側に出て行くパケットへの規制は出来ません。次のバージョンではそのあたりまで含ませるようです。念のため。

浜砂様のコメントに関しては、わたしとはすこし違うな、という印象を持ちました。
捕まった人は勤務先のサーバに不正アクセスした罪で捕まったわけですから、捕まった責任はまさに本人にあり、かつ勤務先のサーバに不正アクセスされるだけの問題があったのではないでしょうか?ここでアクセス手段を提供した(あるいは知らずに提供していた)人が罪に問われたとは思えません。
多くの人がそうであるように、WEPの設定を知らないままにアクセスポイントを使っている人が、誰かの踏み台にされたことで罪に問われるのであれば、まずはアクセスポイントの製造業者が、WEP無しでは機器の使用が出来ないように作り込む必要があると思います。

また

ちなみに、電車等の室内での携帯電話も「不快に思う人がいる」時点で NG だと考えます。

とのご指摘を頂いていますが、人が複数いれば携帯電話以外にも「不快」なことはいっぱいあると思うのです。たとえば酔っぱらって電車に乗っている人、汗くさい人、声が大きい人、いちゃいちゃしているカップル、それらはどう判断するべきなのでしょう?
日本は単一民族のため、価値観や考え方、感じ方が比較的、似通っていました。しかし多くの外国人が日本に住みはじめ、また全く異なる価値観や経験を持った若年者と高齢者が共存する社会になった今、「不快」の定義は多様化しすぎていると思うのです。それを「不快に思う人がいる時点でNG」といってしまうとNGとOKとの判断は誰にもつかなくなってしまうのではないでしょうか?

またレベルは異なりますが、日本人がクジラを食べることを不快に思う外国の方はたくさんいます。使い捨ての割り箸は環境に優しくないといっている外国人もたくさんいます。でもその方々でも、クジラを捕っている漁師さんたちや、それを食べる人たちと話をし、理解することで許せる部分が出てくるのではないかと思うのです。

変川さまのコメント

例えば、公衆電話が市内通話無料で町中にあふれるような国があったとします。その国では、一人の人が非常に多くの人にいたずら電話をかけることが出来ます。

についていえば、香港はまさにこのような環境なのです。低額の月額費用を支払えば、市内通話は全て無料です。また飲食店の店先には、誰でも使える電話がおいてあります。(10年前より少なくなりましたが)これは店のお客さんだけではなく、通行人が使っても店のオーナーは文句を言いません。
しかし、わたしが知る限り、いたずら電話に困るなどという話は聞いたことがありません。

つまり、そこに使える手段があるから、いたずら電話をする人が増えるのではなく、いたずら電話をしたい人はそれが出来る手段を作り出すのではないでしょうか?

がくじ様のコメントは大変楽しく読ませて頂きました。ありがとうございました。
実はわたしの出身地は姫路です。93年から香港におりますのでもう11年ほどいることになります。
年齢はがくじ様より5つほど上なのかな?という感じです。
また人柱隊Blogを読んで頂けますようお願いします。

HL様、Bob様もありがとうございました。
大変参考になりました。

幣Blogではなくご自身のサイトにコメントをして下さった、Mobile Daily News 様のご意見も大変参考になりました。お礼申し上げます。
「プロバイダとの契約」というのは確かにその通りです。しかし誤解を恐れずにいえば、プロバイダの契約というのは、問題が発生したときにプロバイダが責任逃れをするために存在するものです。たとえば香港ではDHCPの使用を禁じたり、複数のPCで使用することを禁じるプロバイダが多くありますが、プロバイダ自身はそんなことが守られていないことを認識していますし、営業マンでさえも、問題ないと言い切っている場合がおおくあります。そこで最初に問題を提起した際には、あえてその問題には触れておりませんでした。
しかし最終的には「プロバイダとの契約」は無視できない大きな問題になると思います。

皆様のコメント本当にありがとうございました。
これからも皆様から意見を頂き、自分の意識や考え方を高めることが出来ればこんなにうれしいことはありません。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

TJ