Cloud Storage

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報告者:YKK

最近 Cloud という言葉を良く見たり聞いたりする。雲じゃなくネット上の向こうにという意味で使われている。複数のPCを使っている方は今時珍しいというより至極あたりまえの状況です。こちらのPCで作ったファイルをあっちのPCで編集したいなんて事も良くある。そんな時どうしますか?多数の方がUSBメモリー等にファイルをコピーして他のPCに又コピーしてるのではないだろうか。ネットに常時接続があたりまえの現在ではネット上のストレージに自動でバックアップ、更には他のPCとファイルの共有等が簡単にしてくれる各種サービス、アプリが最近多数出現してきている。

大きく分けて、複数のPCでファイルをシンク(同期)するアプリと単純にバックアップするアプリと二種類存在する。主な物を使ってみて分かった範囲で紹介しよう。

シンク(同期)

1。Dropbox – PCの中の任意の箇所に 「My Dropbox」というフォルダーを作成するだけでそのフォルダーをCloud上のStorageを経由して複数のPCで内容をシンクしてくれる。全自動で行われるのでネットにシンクするPCが接続されていればこっちのPCでファイルを編集すればあっちのPCの内容も自動的に変わる。接続されてなくとも接続され次第にシンクを開始してくれる。

2。SugarSync – 機能的にはDropboxと大差ないが、シンクするフォルダーが「My Dropbox」という名称に限られず存在する任意のフォルダーを指定出来る。

3。SyncPlicity – これもSugarSyncと機能的にはほとんど同じで任意のシンクするフォルダーを指定出来る。

4。Windows Live Sync – Microsoft が最近始めたサービスで日本語表示もある。

5。Quanp – どうしても日本の会社のサービスでないとやだと言う人にはリコーがやっているこのサービスがある。

隊員の独断と偏見でランクを付けさせてもらうと上記の順番通りである。

Dropboxはインターネット自体を除けば最大の発明の一つではないだろうか。それほど便利である。難点を探すとなると「My Dropbox」という特別なシンク専用フォルダーを作成する必要があるという事だがそれも一度やってしまえば後は忘れていても勝手にやってくれる。ユーザーインターフェースと言うのもが無く存在すら忘れさせてくれる。よって常駐メモリー消費量もほとんど無く最小だ。更になによりも優れている点は変更の履歴も保存してくれる事と思う。

SugarSyncはDropboxの難点である特殊フォルダーの作成は必要無く存在する任意のフォルダーを指定するだけでよい。インストール後は自動で処理してくれるがDropboxと違いファイルマネージャー的なプログラムが存在する。従って常駐メモリー使用量も多い。

SyncplicityもSugarSyncと大差無い。好みの問題だろう。

Quanp – これは個人的にはどうしても日本の会社じゃなきゃいやだという人以外にはおすすめではない。インターフェースをMac風3Dにこだわったのかともかく重く、サーバーの容量、帯域、性能もあきらかに他より低い感じがして遅い。このような状態ではたしてこの世界の競争で生き残れるか疑問に思う。

以上はいずれも2GBまでの(Quanpのみ1GB)ストレージの容量を無料で提供してくれる。その後は容量によって年額100GBでUS$100程度だ。DropboxがシンクできるPCの数が無料でも制限してないのにSugarSync、SyncPlictyは2台まで(Quanpは表記なし)と制限している。

Windows Live Sync は上記のサービスとは違いネット上にファイルを保存しない。完全にPeerToPeerで動作する為にシンクするPCがネットに繋がっている状態で無いと動作しない。ただネット上にファイルを保存しないので容量は各PCの容量で無制限、料金も完全無料。

PCも何台も並行して使用していると何でもかんでもシンクすりゃ良いってもんじゃない。それぞれのPCには目的があるので当然何をシンクするかも違ってくる。それで個人的にはメインにDropboxを使い後はシンクする内容によってSugarSynkとSyncPlictyとを使い分けている。

バックアップ

シンクが複数のPC間でフォルダーの中身を同期(同じにする)するのに比べバックアップとは単純にファイルをネット上の保管庫にコピーするという物。上記のシンクサービスもバックアップと言えるがシンクの場合ファイルを削除すると他のPCからも削除されてしまうという点が違う。ネット上のバックアップを目的とするストレージはかなり以前から提供されてはいたがネット接続の普及なにより帯域の拡大で最近は一挙に花が咲いた感じで多数参入してきている。一部やってみた代表的な物を紹介しよう。

Mozy – 2GBまで無料、無制限で毎月US$4.95

Carbonite – 15日間無料トライアルその後は年間US$54.95。日本ではBBソフトというところが提携しており30日無料で試せるし日本語でのサポートもあるようだ。

Amazon – 1GBあたりUS$0.15、データの出入りに別途Transfer Inが$0.1/GB Transfer Outが$0.17/GBかかる。サーバーのバックアップにも利用され始めているTB単位のバックアップが可能。

SkyDrive – Microsoftが提供する25GBの無料のストレージ。Windows Live IDを取得すれば誰でも利用出来る。

Mozy、Carboniteは自身でバックアップするスケジューラーを持っており設定すればその通りバックアップを実行してくれる。Amazonの方はWindowsのタスクスケジュール経由で設定出来る。

個人的にはAmzonのサービスを利用しており自動バックアップはせずに随意自分でバックアップを実行している。その他にZumoDriveというのはMacでは使用しているしmobileMeのiDiskも使用している。

重要な事は一つのサービスに全部依存するのはやはり危険なので複数のサービスを使用するのが良いだろう。ネット上に自分のデータを保管するのにセキュリティー上好ましく無いと考えるユーザーもいると思うが自分のセキュリティーよりこのようなサービスを提供している側のセキュリティーの方がずーっと上だという事を認識すべきでしょう。

隊員の場合普通の人よりかなり頻繁に使用するPCを代える。以前はファイルの移行等で実際に使用可能となるまでにはかなりの時間を要したが、今ではこのようなシンクとバックアップサービスを利用しているおかげで即使用出来るようになった。

未だこのようなサービスを利用されてない方は是非検討されたらと思う。