報告者:TJ
いよいよ最終モデルができあがり、最初の量産品を作り始めたということで、今回はこのiPhone4カメラジャケットの開発意図を説明させて頂きたい。
まずはiPhone4になりカメラ機能が向上しコンパクトデジカメと比較しても遜色のない画像が撮れるようになった。
ただ写真品質としては良いものが撮影できるのだが、カメラとしてみた場合には幾つかの大事な機能が欠落している。
これを他のデジカメと同じレベルに持って行きたいと考えたことが開発の大きな理由である。
しかしそれにもまして、画像品質が良いのなら数多くあるiPhoneアプリを使って画像を無限に活用できる。
これは単なるデジカメには出来ない芸当である。これがさらに思いを強くした理由である。
では実際にどんな活用方法を想定しているのかを紹介していきたい。
1.三脚での撮影・FaceTime・Ustream
まず本体に三脚取付穴を装備したことで活用範囲が広がる。
たとえば記念撮影でシャッターをタイマーで動かせば自分撮りが出来るというのは当然だが、それ以外にも前回紹介したTimeLapseを使えば高速度ムービーが簡単に撮影できる。
Cambodia 2010 All shot on iPhone4 from Masaya Toji on Vimeo.
スローシャッターというアプリを使えば、先ほどとは逆に、高速で走るクルマのヘッドライトが長く伸びたような写真がとれる。(下左写真参照)
またiPhoneではおなじみのFaceTimeやUstreamをするにも三脚が使えるのは大きなメリットだと思う。GorillaPod的なミニ三脚(下右写真参照)などを使えばiPhoneをしっかりと固定できる。
2.コンバージョンレンズを使った撮影
iPhone4のカメラはかなり広角に設定されている。
風景写真、スナップポートレートなどには全く支障がない。
しかしたとえば望遠となるとデジタルズームしかないわけで、画像の劣化は避けられない。
そこで望遠レンズを取り付けたいという欲求が発生するわけで、このジャケットを使えば市販のコンバージョンレンズを簡単に装着できる。
本体には37mmのネジを装備しているので、たとえばデジタルムービー用に購入して使わなくなったコンバージョンレンズなどを再び活用できるわけである。
魚眼レンズなどを取り付けるのも面白いはずだ。
写真は市販の魚眼レンズを装着したところ
それ以外にもかなり前にニコンから発売されていたテレスコマイクロという商品を装着すれば、iPhoneが超望遠や顕微鏡に早変わりである。
顕微鏡があれば昆虫や小さな花を撮影できるという楽しみが広がる。
3.フィールドスコープ、天文写真
フィールドスコープをご存じだろうか。
自然の中にいる鳥を観察する望遠鏡である。
最近ではこのフィールドスコープにデジカメを取り付けて望遠撮影を行うデジスコがはやっている。
デジスコ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%82%B3
このWikipediaにある写真をご覧頂くとわかると思うが、ニコンのフィールドスコープにニコンのデジカメの組み合わせである。
我々はこのデジカメ部分をiPhone4+カメラジャケットで代替してみた。
以下はデジスコの撮影風景とそれによって撮影できた結果である。
上左写真)デジスコの接眼部分、本来 目で覗く部分にこのカメラジャケットを装着したiPhone4を簡単に取り付けることができる。
上右写真)iPhone4の画面いっぱいに鳥が写っていることが確認できる。
実際に上の方法で撮影した鳥の写真
30倍〜60倍程度の倍率で見た鳥がそのまま撮影できる。
これまでデジスコのためにブラケットを自作したり、高額な取り付け治具を購入したりといったことが必要であったが、このカメラジャケットがあれば写真のように簡単に撮影が楽しめる。
これまでフィールドスコープなどに興味がなかった方も、是非トライしてみて欲しい。
図鑑でしか見たことがなかった鳥の詳細がiPhone経由でパソコンに取り込めるのは楽しいモノである。
フィールドスコープの次には天文写真用の接続器具開発にもチャレンジしたいと考えている。
4.一眼レフ用レンズの装着
いまSonyのNEXに昔の光学一眼レフカメラ用レンズを装着しマニュアル操作で撮影を楽しむことがはやっている。
手軽に利用できるNEXに高画質なレンズを装着することでより本格的な撮影を楽しむことができるわけだ。
ではiPhone4でも同じことができたらどうだろうか?
迫力あるズームや味のあるボケを生かした写真を撮ることができるのではないだろうか。
今回のジャケットは市販のコンバージョンレンズの装着を考えて設計したが、その次のステップとして一眼レフ用レンズも装着できるような接続アダプターを提供することも考えている。
但し一眼レフ用レンズの取り付けはマウントの装着など機構が複雑、大形化してしまうため、コンパクトでこのカメラジャケット専用に簡単に取り付けられるアダプタを周辺機器メーカーと作り込んでいる最中である。
なお先日のアンコールワット撮影旅行にはプロトタイプを持ち込み、iPhone4にオリンパスの望遠レンズを装着して撮影している。
http://blog.hkisl.net/am/archives/000904.php
ということでざっと想定している活用方法をいくつか紹介したが、最初にも述べたとおり、撮影した写真や動画をどうやって活用したり、編集したり、共有したりするかという次の行動を考えたときにiPhoneで撮影したものは無限の広がりを持つ。
自分自身の楽しみはもちろん、家族との共有や子供の研究学習、コミュニティでの活用、様々な楽しみがこのカメラジャケットを核として広がって欲しいと願っている。
さて最後にこのカメラジャケットのブランドを発表させて頂きたい。
ブランド名は Turtlebackとした。
Turtlebackとは『亀の甲羅』という意味である。このジャケットがiPhone4の背中に乗っかるイメージはまさしく亀の甲羅のようではないだろうか。
そして親亀の背中に子亀が乗っかるように、iPhoneを中心に様々な機能やパーツが付加されている様を想像して名付けた。
末永く様々な商品を提供できるように育てていきたいと考えている。
いつもお世話になっています。
素晴らしいアイデアですね。
一眼レフのレンズを使ってみたいです。
開発頑張ってください。
Itokoichiさま
ご無沙汰していますm(_ _)m
一眼レフ用レンズを使いたいという方が予想以上に多いと感じています。
オリジナルの組み合わせを越えた品質の写真といったことは勿論難しいですが、iPhoneが好きでもっと活用したい、iPhoneであらゆることをやりたいといった層の方々にはアピール出来るのではないかと感じています。
一眼レフ用アダプターは、試作レベルではもう出来ているのですが、撮影にコツを要するので、それを誰にでも簡単に撮影できるように改良中です。
楽しみにしていて下さい。