Vaio G

報告者:YKK

隊員は「世界一」という言葉に極めて弱い。世界一薄い携帯電話(薄さ6.9mm)も使ってるし「何とか一」という商品は数多く所有している。ノンスピンドルX31は絶好調、毎日持ち歩いている。しかし外装(ケース)がボロボロ、あちこちひび割れが出来てしまいケースを交換しようか迷っていた。

そこに昨年末ソニーからVaioGが「世界一」の軽さをうたって登場した。ツースピンドルモデルでも1kgを切る。それもソニースタイルで注文すると何より英語キーボードを選択出来るので実物も見ずにネットでついマウスボタンをクリックしてしまった。

1.5GBのメモリー、80GBのHDD、全部付きでしめて311,000円なり!年末年始で日本に行った際に既に配達されていたこのVaioGをどれくらい軽いのかとワクワクしながら箱から出してみた。確かに想像したよりはるかに軽かった!しかしLCDのカバーを開けてキーボードに触れたとたんに二度と触る気がしなくなり所有欲も一挙に減衰してしまった。

そもそも隊員は日本語キーボードが使えない。その存在自体が罪悪だと思っている。まず隊員の知っている世界で日本語のかなをブラインドタッチで入力出来る人を一人しか知らない。もとNTTデータにおられたこの人はかな入力でものすごいスピードで日本語の入力をブラインドタッチでこなしてしまう。ローマ字入力に比べ押すキーの数が半分で済むので当然であるが尊敬に値する。

そうなのだ、まず大多数の日本人は日本語を入力するのにローマ字を使う。基本的にかな表示などほとんどの人には必要無いのでは。それに日本語特有のキー、例えば「変換」「無変換」等のキーを一体どのくらいの人が使うのだろう。ほとんどの人はスペースキーを使うのではないだろうか?それに隊員はエンターキーを入力確定、英文の改行等の為に多用する。まずは下のVaioGの日本語キーボードを見てもらおう
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更にソニースタイルにて注文出来る英語キーボードはこんな形をしている
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まずキーの数が違う、エンターキーとシフトキーがある列に日本語キーボードの方が一個づつ多いのだ。結果エンターキーと右シフトキーが日本語キーボードの方が小さく横幅は半分しかない。よって日本語入力を確定なり改行する際にエンターキーを押そうとするとその左にあるブラケットキーを押してしまう。それより何より英文の大文字を打つ際に右シフトキーが遠くにありすぎて押せないのだ!大小文字が混在する英文をブラインドタッチで両手で打つ場合日本人の右手の小指は倍の長さがあるのだろうか?英語、英語と言っている傍から自らハンディーをしょうこんでいるとしか考えられない。

それにシフトキーを押した際に入力される記号キーの場所も問題なのだ。特にインターネットの世界では多用する「@」だ、世界中で「シフト2」を押せばよいのに日本語キーボードでは「P」のキーの右ととんでもない場所にある、それを日本人はあたりまえ標準だと思っている。そうなのです日本人は一歩日本を出ると重ーい十字架をしょわされているのです。

エンターキーの大きさと「変換」「無変換」キーに関しては、日本語入力の方法、くせ等があり一概にどうこう言えず、上記の批判は隊員の独断と偏見に満ちているが、右シフトキーのサイズと記号キーのロケーションに関しては譲るつもりはさらさら無い。これでは日本人は全員一本指でキーボードを押すのかと言われてもしかたが無い。

さてVaioGだが、ソニースタイルで英語キーボードを注文したにもかかわらず一挙に所有欲を無くしたのは何故か?それはキータッチとキーピッチにある。下のVaioGを速効で売却後購入したThinkPadX60のキーボードを見てほしい。
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VaioGとThinkPadX60は両方ともB5サイズで外形サイズはほとんど変わらない。よってキーボード自体の横幅は変わらないのだがキーボードの縦方向の長さがX60の方が長いのだ。更にキーのストロークが全く違う。VaioGはラバーキーのごとくグニャグニャしてストロークが浅い。X60はしっかりとクリック感もありストロークがそれなりに深い。要はちゃんとキーを押した感じがあるのだ。横幅がほとんど同じなので当然だがキー1個自体の横幅もほとんど同じ、しかしキーの形状が違う。VaioGがほとんど長方形なのに比べX60は上になるほどテーパーがかかっておりつぼまっているのだ。どういう事かと言うとVaioGの方はキーとキーの隙間がほとんど無いのにX60はキーの上部が狭まっているのでキーとキーの間が空いているのだ。これは実際にブラインドタッチで打った場合大きな差となって来る。勿論ブラインドタッチの正確さも関係無いとは言わないがVaioGでタイプするとミスタイプが多い、二つのキーを同時に押してしまう事が多々ある。要はタイプしにくいのだ。VaioGの場合薄さを優先させる為にキー本体の高さを極端に薄くしてしまったのでこうなったのであろう。

隊員の考えでは日本のメーカーが作るノートPCは軽さ、薄さ、その他の機能を、優先させる為にキーボードを犠牲にして設計されているという事だ。そこへ行くと欧米メーカー(ThinkPadはLenovoになり中国メーカー?)のノートPCはまずPCの本来一番重要な部分、入力するという最大の目的の手段であるキーボードを最重要パーツとして設計されている。そうなのですそもそも設計思想が違うのです。文化の違いと言うかキーボードに対する認識が違うのですね。ただ今に至るもキーボードに取って代わる入力デバイスが現れない限りやはり一番重要な部分ではないのだろうか?

日本語を入力するならともかく、英文を入力する限り日本語キーボードは欠陥と言わざるをえない。一本指で打てば関係無いか?でもプログラマーはどうするのだろう?そうかCであれ何であれほとんど小文字のアルファベットしか使わないから関係ないか?でもプログラマーでも記号はどうだろう?日本のプログラマーは日本以外で仕事する場合慣れるまで極端に作業効率が落ちるだろうな!

っと言うことでVaioGはその軽さを確認しただけで即転売とあいなり、本来買うべきだったX60に変った。確かに重さはVaioGに比較して200gほど重いし光学ドライブも内蔵されてない。しかし少なくとも隊員にとってはちゃんと入力出来るノートPCとしては比較にならないほど優れまともなノートPCだ。更に既に売却してしまったがこのVaioGは日本メーカ製のノートPCを買う本当に本当の最後である。