名刺管理と格闘する

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報告者:TJ

名刺管理は本当に面倒な作業だ。

私が最も影響を受けた「超整理法」で有名な野口悠紀雄先生の名刺管理方法は非常に現実的で基本的にはこれをフォローしているワケだが、やはり最終的にはデータで管理したいというのがモバイルオタクである。

野口先生の方法は、アナログである。名刺が必要になるのは、名刺をもらったときからしばらくの間が最も多く、数ヶ月もたてば殆ど不要になるという考えが基本だ。

つまりもらった名刺は分類などせずに何枚かまとめて輪ゴムで縛って机の上にでも置いておく。名刺の相手に連絡を取りたければ、名刺の束からペラペラとめくって探せばいい。20枚ほどの中から目的の名刺を見つけることはたやすい。(コンピューター的にいえば、それはキャッシュといえるだろう。)

ある程度たまってきたらそれをA4サイズに並べてコピーをとってファイル整理をするというのが野口先生の方法である。最近会った人を分類もせずにA4にコピーするのは乱暴に思えるかもしれないが、超整理法の根幹にあるのが「分類というのは非常に不正確になりやすい」であり人間がしっかりと把握できるのは「時間軸」であるという考え方を基本としているからだ。

もうちょっと脱線すると、名刺を分類するとなると会社名、名前、外国人の場合にはFirst Name の場合もある。さてこれを決まったルールで名刺ホルダーなどに保管することが出来るか?いや保管は出来ても検索抽出できるか?という大きな問題に直面する。

これに対して、時系列というのは、「え~っと、あの人とはあのプロジェクトを一緒にやったな。ということは2003年頃だよな」という風に絞り込めるということなのだ。

当然のことだが頻繁に連絡を取る人はこの限りではない。

これが野口先生方式(のはずだと思う。間違えていれば”優しく”ご指摘下さいね。)だが、これでは常にデータを持ち歩きたいというデジタルオタクモバイラーとしては納得できない。これまで悪戦苦闘してとにかくひたすらタイプしてPDAに放り込むとか、OCRを使って便利に取り込むとか、いくつものソフトを検証したのだがイマイチしっくりこなかった。そこで最近やっているのが、この間、Hermesのレビューでも書いたが、名刺をデジカメで撮影してGMAILに添付ファイルとして送信しておくという方法だ。送信時にその人の社名と姓名、場合によっては何か印象に残ったことなども本文に書いておく。そうしておけば後で検索するときには「社名」でも「姓名」でもその一部が判れば検索できるようになる。コンピュータによる検索性能が向上した今、分類は不要というよりも、あると却って足手まといにさえなるのである。

頻繁に連絡しない人の住所や電話番号を間違えずにPDAに入力する手間よりも、必要なときにGMAILから画像化した名刺を引っ張り出して住所や電話番号を確認する方が楽だ。

いままでひとつの方法を継続できなかった名刺管理方法だが、この方法はかなり続けられている。もう一つこの方法のメリットは、スタッフにお願いしやすいということだ。カメラで撮ってこのアドレスに送っておいてといえば誰かに面倒な作業を振れる。殆ど細かい説明ナシで振れるのだから気持ちがいいのだ。

さてところがここで大きな問題が起こった。

Hermesの記事へのコメントでtetujinjrさんからこんなコメントを頂いたのである。

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名刺管理ですが、名片王 Mobileというのがあるようです。内蔵カメラで名刺を撮って、認識、

データベースに登録といった事ができるようなのですが、Dopod 818Pro専用??

リンクはこちらで30日の試用版がダウンロードできるようです。

http://www.penpower.com.tw/product/wc_mobile.html

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Dsc03410

これはモバイルオタクの血が騒ぐ情報。早速お試し版をDLしインストールしてみた。果たしてその結果は?

これがなんと驚くほどにいいんです!!内蔵のカメラが200万画素、更にマクロ撮影をサポートしているということで、撮影した結果もハッキリクッキリ。これを名片王OCRで認識させるとほぼ完璧に認識してしまうのだ!!台湾版ということで台湾、香港で使われている繁体字は完璧。中国大陸で使われている簡体字の認識精度はイマイチかなぁと思う。ひらがなは!・・・ひらがなが入るとその行は見事に無視される。日本語対応もして欲しいなぁ。

さて具体的な名刺認識の手順だが、まずは上のアプリ起動画面から右下のカメラボタンを押すとカメラアプリが起動する。

で下のように名刺を撮影。サンプルはいつもいく電脳ショップの日本語が話せる黄クンの名刺。(ちょっとレタッチ済み)

Dsc03407

うまく取れれば、下にある三個のボタンの一番左を押すとOCR画面にいく。

注)ダメなら何度でも撮影する。

Dsc03408

ここで上の方にあるLanguageはChineseとEnglishが選択可能。またRegionはPRC(簡体字)とTaiwan(繁体字)が選択できる。

最後に画面下部のRecognaizeを押すと認識開始する。待つこと1分ほどで下のように。

Dsc03409

漢字部分はほぼ完璧。住所、名前、ウェブサイトやメールアドレスという属性も認識できている。

Work addrという認識結果部分にカーソルを合わせると、画面最上部に認識の元になった画像が表示されているのが判る。修正があればここで行えばいい。

このあたりのインターフェイスも結構こなれている。

製品版ではこれをアドレス帳に出力できるが、デモ版はココでおしまい。

さて問題はこのアプリ値段が結構するのである。サイトのダウンロード販売でも1万円近い。先日、香港のPCショップで製品版があったが、それは少し安くて7000円ほど。現在の名刺管理方法を変更するつもりはないので、デモのためにこれだけの料金を払うのは辛い。ちょっと悩ましいのだ。

当分はデモ版を使っておこう。これをデモするとみんなかなり感激してくれるのだ。そして決まって「欲しい!」といってくれる。

これでたまらない幸せを感じるTJであった。

コメント

  1. ニック より:

    先日博士の紹介でGHQにてこのアプリを拝見させて頂いた者です。
    この名刺OCRソフトは凄いですね、スキャン結果が出たときは声が出そうになりました。
    日本語対応すれば無敵です。
    Moto-Q購入に暁には自分も入れます!

  2. reveil より:

    名刺管理にGmailを活用するというのはアイディアですね。
    名刺管理ソフトには是非日本語にも対応して欲しいものです。これができれば出張に持参する名刺の束がなくなってまたひとつ身軽になれるのです。

  3. [Windows Mobile][Smartphone] 亜洲モバイル人柱隊,名刺管理と格闘する

    Dopod 818Pro専用のOCRソフトウェア「名片王 Mobile」の使い勝手を紹介しています。台湾版ということで台湾,香港で使われている繁体字は完璧,簡体字の認識精度はイマイチで,ひらがなが入るとその行は見事に無視されてしまうそうですがなかなか使い勝手がいいそうです。価

  4. tetujinjr より:

    レビューありがとうございました。やっぱり価格ですよね。私もWEBの台湾ドルの値段を見て驚きました。名刺スキャナ付のソフトでも6-7000円位ですからね。認識率は良さそうでしかも本体だけで処理が終わるというのがいいですね。ダウンロード販売よりショップ販売の方が安いというのが不思議です。とりあえずTyTNが手に入ってから自分で試してみたいと思います。

  5. TJ より:

    ニックさま
    Moto-QやめてHermesにするというのはいかがでしょうか?(笑)

    reveilさま
    新しく始めるならGmailよりもFlickrの方がいいかもしれません。

    tetujinjrさま
    面白いソフトを紹介いただきありがとうございました。
    かなり楽しんでいます。また面白いソフト紹介してください。

  6. すぅ より:

    こんにちは。
    さっそくこのGmailのアイディア、拝借させていただきます(^^)
    なんせ、アドレス帳はいまだにザウルスに入ったまま(笑)。
    そのためだけに、ザウルスを手放すことが出来ない状況なのでした。
    やっと解放されそうです。

  7. ケムンパス より:

    http://www.tri-star.co.jp/products/utility/meishi/point.html

    これはどうすか?
    簡体字 繁体字 日本語 英語全て大丈夫です。
    ヨドバシカメラで一万円ちょっとで売ってました。

  8. TJ より:

    ケムンパスさま
    そうですね。こういった小型スキャナータイプも数多く試しました。良いものもあります。
    電源不要なので悪くはありません。でもやはりもう一つデバイスを持ち歩くよりはPDAで兼用できた方が良いと思うんですよね。

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