報告者:TJ
アップルコンピュータの創設者の一人で、現CEOのスティーブ・ジョブズが米国スタンフォードの卒業生に贈った言葉が最近話題になっている。
最初に知ったのは中村正三郎さんのブログ Hot Corner だった。
その後、面識は無いものの中学の大先輩ということがご縁でマイミクに加えていただいたドリアンさんのブログ 天網快快でも取り上げておられ、非常に興味深く読ませていただいた。
かなり長いが、非常に示唆に富むいい話なので、読んでない方は是非とも読んでほしい。
アップルコンピュータ創立
CEOのスティーブ・ジョブス氏のスタンフォード大学卒業祝賀スピーチ
私が香港に来た1993年、日本の一部マニアは、IBM DOS/Vという黒船の出現に興奮していた。
コンピュータ雑誌は こぞって香港でのコンピュータ購入体験記やHow to buy、ショップの紹介などをやっていた。
そんな中、28歳の世間知らずの男が単身香港に乗り込みIBM互換機(当時はこういっていた)を購入した。これはきっと面白いことになる!
と信じ、なんとかこれで金儲けできないものか?と妄想を膨らませた。そのころ最も濃い記事を掲載していたDOS/Vマガジンと技術評論社の
「ざべ・The Basic」をバイブルにしていた男は果敢にも、ざべ誌に連載を持っていた香港在住のライターを尋ねた。
お会いしたライターの本業はPCを愛するビジネスマン。28歳の世間知らずは、ビジネスマンの巧みな話術とスケールに圧倒され、
彼の元で働かせてもらうことにした。その当時の香港には多くのPCマニアがいた。
なんといっても世界で最速のPCが最安値で購入できる街なのである。そして香港に住みだした直後、
そんな多くのマニアを束ねていた米国大企業の香港支社長にも出会い多くの刺激をもらった。
それからはや12年。そのビジネスマンはアクセスバスター、香港支社長はYKK、
世間知らずの男はTJと名乗って本業そっちのけで人柱隊をやっている。
そんな人柱隊とお付き合いいただいているAsukalさん、reveilさん、まだお目にかかったことはないが、Muni62さん、じぃさん、など多くの方々が分業し、協力し、
取り組んでいる
PocketPC初の3GマシンであるUniversalの日本語化。
BlueAngelなどの英語マシンを日本語化、中国語化する技術では第一人者であり、かつそれを誰にでも(マニアでなくても)
使えるようにした偉大なるAsukalさんをもってしてもUniversalの日本語化は難しそうである。彼らは睡眠時間を削り、
本業に影響が出ないように時間を調整し、日本語化にまい進している。ヌルズが書き換えられないというなら、
その横たわるヌルズという岩を回避する手段を考え、なんとか日本語が使えるマシンにしようとする努力と忍耐力そして工夫。
その強い精神をキープし続ける原動力はこのUniversalを日本語で思う存分使いたいというハングリー精神と、出来ないのでは?
とか出来なかったら?という迷いを、ちょっと横において突き進むモバイル馬鹿精神だろう。
ジョブズのいうStay hungry stay foolishってきっとこういうことだと思うのだ。
みんなを眺めながら、俺は?と自問する。93年の俺は間違いなくハングリーで馬鹿野郎だった。
当時勤務していた電機メーカの人事担当者に退職の挨拶をしたときに 「いまさらコンピュータか?」といわれたことが今でも忘れられない。
それは馬鹿にされたことが忘れられないということではなく、
その頃は世の中の大半の人が日本のコンピュータ業界はNECと富士通など大手が独占し、既に成熟期に差し掛かった産業だと思っていたのだ。
(蛇足だが、私が勤めていた会社もその頃にPC製造販売から撤退した。)DOS/V機、
IBM互換機が日本のコンピュータ業界に影響を与えるなんて思っていたのはほんの一部の人だけだった。
世の中がよくわかっていない28歳は、わかっていないからこそ退職できたのだ。
もちろん今でも何かが成し遂げられたなんて思い上がっているわけではない。でもなんとか飯が食えるようになった今、
空腹感をもっていない自分を感じている。
「今の知識と経験を持ったまま昔に戻れたら」 と人はいう。 もし本当にそうなったら私は香港にいないのではないか?
いまの私は28歳の私に「そんな無謀なことは止めなさい、いまの安定した人生を送ったほうがいいに決まっている」
といってしまうのではないか?大人になる、分別をもつ、そうなってしまったから出来なくなってしまうことってたくさんあるんだと思う。
ジョブズが卒業生に贈った言葉とUniversalを日本語化する男たちをみて、もう一度自分を考え直すチャンスをもらったTJである。
最後にAsukal語録を一つ。
あまり寝ていないというAsukalさんに、もう少しのんびりやったら良いのでは?と声をかけたら、「Himalaya改–さるまーた号でWM5のヌルズ書き換えが成功したという私の記事を読んでUniversalを購入した人がいると思うんですよね。
その人たちへの責任を感じているんです。」といった後、「でも好きだから楽しいんですけどね・・」
とサラリといってのけるAsukalさんに心の底からモバイル馬鹿野郎魂を感じた。
スティーブ・ジョブズの祝賀スピーチ
先日かんべえ氏の著書『1985年』をご紹介したが、昨日氏のHPの『不規則発言』と…
はじめまして、何時も楽しく拝見いたしております。
心に残るお話を読ませていただきました。
ありがとうございます。
Todokichiさま
いつもありがとうございます。
ジョブズが以前にもまして好きになっているTJです。(笑)
土曜の朝の嫁さんとバスターとの会話。
「ジョブズがなぁ、ハングリーで、馬鹿になれって」
「ううっ!いい事言うなぁ!」
朝からジョブス氏のスピーチを読んで、感動のあまり、嫁と二人で抱き合って号泣してしまった。
そこでバスターもハングリーであれ。馬鹿であれを実践した話を書く。
昨夜、9月30日は、国慶節を翌日に道路が混んでいた。
原因は中国の高速での事故だった。
高速では、我慢できず、路肩で「おしっこ」をしてしまった。観光バスの窓からバスガイドの女性の冷たい視線を感じながらだ。
通常2時間程度の距離を5時間かけて帰宅した。更に、夕食も取らずに空港へ人を向かえた。午後3時から12時まで車を運転し続けていたのだ。ううっ!腹がへったぜぃ!
ジョブスが聞いたらきっとこういうに違いない。
「バスター、今のお前はハングリーで馬鹿野郎だ!でも、あんたの話はスタンフォードのスピーチで使えませんから。残念!」
バスター
バスターさま
本来の趣旨と若干異なるような気がしないでもないですが、それはそれ、解釈は人それぞれですから。(笑)
ところで参考までにこれの英語版オリジナルを記しておきます。バスターさんのお子様達にも是非どうぞ。
http://slashdot.org/comments.pl?sid=152625&cid=12810404
初めまして。いつも楽しく拝見させていただいてます。
折角appleとPocketPCの話題が同時に出てきたので、真贋はともかく、みんなで気にしませんか?(笑)
http://japanese.engadget.com/2005/09/30/windows-mobile-5-0-itunes/
日本で気兼ねなくUniversalが買える時代が来たらいいですね~
kenkenさま
あっ!コレいいですねぇ。
欲しいです。
Windows版iTunesがあるわけですから、WM5用が出ても不思議はありませんよね。
コメント遅くなりましたが・・・
ちょっと私の事言いすぎでは(*^_^*)
はずかし~~、
九龍駅までお送り頂きありがとうございました。
12日間の日本出張を終え、香港に戻ってきました。
いや~、戻って来るなり心を洗われるようなスティーブのメッセージを拝見させて頂き、感動しています。日本にいる普通の日本人とは違い、マレーシア駐在後に台湾企業に転職して台湾と中国に住み、今年から香港企業に再転職と、それなりに刺激の多い人生を送ってきたつもりですが、それでも自分の中ではマンネリ間が漂っています。
そんな中、スティーブの「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?。それに対する答えが“NO”の日が幾日も続くと、そろそろ何かを変える必要があるなと、そう悟るわけです。」という一文に共感しました。明日から早速実行!
さすがジョブズですね。
こんなメッセージをもらえた卒業生たちは本当に幸せでしょうね。うらやましいです。
でも彼の言葉の、本当の意味がわかるのはもっと後からかもしれません。
[雑記]ことばのちから
もう10日も前のことで恐縮ですが、亜洲モバイル人柱隊のTJさんの報告で、スティーブ・ジョブス氏のスタンフォード大学卒業祝賀スピーチが紹介されていました。各所でも取り上げられているとおり、大変素晴らしい内容です。 TJさんも、スティーブ・ジョブス氏のスピーチ…